グローバルナビゲーションへ

本文へ

ローカルナビゲーションへ

フッターへ



ホーム >  トピックス >  高校への会員書家派遣事業の第2回を実施しました(滋賀県 私立比叡山高等学校へ真神巍堂会員講師を派遣)

高校への会員書家派遣事業の第2回を実施しました(滋賀県 私立比叡山高等学校へ真神巍堂会員講師を派遣)


 日本書道文化協会では、若い世代への伝統的な書道の普及を積極的に図ることとしており、第1弾の千葉県立袖ヶ浦高等学校への会員書家派遣事業に続き、3月29日に滋賀県・私立比叡山高等学校において第2弾会員書家派遣事業を実施しました。
 同校は、日本天台宗開祖最澄(伝教大師)が開創した比叡山延暦寺を母体とする教育機関で、学校の書道教育はもちろんのこと、書道部の活動も盛んで、数々の書道大会で優秀な成績を収めている高校です。
 当日は、同校書道部員等生徒約20名に対して、日本書道文化協会常務理事の真神巍堂先生(恩賜賞・日本芸術院賞受賞 公益社団法人日展特別会員 興朋会理事長)が、実演を交えながら伝統的な書道の書法、作品制作のポイントなどを講義・解説しました。
 また、真神講師により「山家学生式(さんげがくしょうしき)」(最澄が僧の育成方針を示したもの)の一節や、同校校訓ともなっている「一隅を照らす」(「山家学生式」)の一文が揮毫されました。
 約2時間の特別授業の中で、生徒たちは真神講師の講義と実演に大変感銘を受けた様子で、積極的な質疑もなされました。伝統的な書法や作品制作法など、生徒たちにとって書道を学ぶために有意義な時間となったことでしょう。
 なお、竹林幸祥比叡山高等学校長、吉野亨文化庁芸術文化調査官らが授業の様子を参観しました。
(本事業は、文化庁の文化財補助対象事業です)

書道部部長 池田乙葉(いけだおとは)さんのコメント
 この度は、貴重な経験をさせて頂き誠にありがとうございました。
 私たち高校生のまわりにはスマホやタブレットが多く、情報伝達が文字の目的となり表現からは遠ざかっていると感じています。また、現代は情報が手に入りやすく、刺激に慣れてしまっている時代とも言われています。あらゆる物の規模が大きく速く移り変わっていく時代においては、感情や伝えたい想いの表現も、様々な手段が生まれることで多様化・複雑化し、時には形骸化してしまうこともあります。
 書道において、先人の残した表現をどう生かし、現代化するのか。そこに書家は生涯をかけると、顧問の北川先生は言っていました。古典的で現代にも響くという相反する要素をいかに作品化するのか。今回の取り組みで何かヒントが見えたように思います。
 この貴重な経験を今後のクラブ活動に生かしていきたいと思います。

書道部顧問 北川智輝(きたがわともき)教諭のコメント
 有難いご縁と様々なご支援をいただき、感謝申し上げます。今回の取り組みは、高校生にとって以下の3点において効果的であったように思います。
1.事前学習によって、王羲之や王鐸・懐素等、歴史を踏まえた伝統的な技法について理解できた点
2.講義や質疑応答を通して、第一線で活躍する先生が古典を如何に解釈し、現代に響く表現へ昇華させようとしているのかを伺い、考えを深められた点
3.実際に制作する際の呼吸や力の入れ方を目の当たりにし、図録の写真や自身の作品との違いを実感できた点
 書道部以外にも校内で興味を持つ生徒や卒業生も参加し、たいへん有意義な時間となりました。市井の志で一隅を照らせるよう、これからも日々取り組んで参りたいと思います。

真神巍堂会員講師から冒頭講義

揮毫実演に当たっての説明を聞く生徒達

揮毫の様子を見つめる生徒達

揮毫作品を解説する真神講師

机上での揮毫の様子

比叡山高等学校校訓「一隅を照らす」揮毫の様子

真神講師と生徒、学校関係者との記念撮影