市立札幌平岸高等学校において書家派遣事業を実施しました(講師 室井玄聳日本書道文化協会理事)
日本書道文化協会では若い世代への伝統的な書道の普及を図るため、高等学校への会員書家派遣事業を実施することとしています。今回の市立札幌平岸高等学校への派遣は、本年度3校目の実施であり、北海道では初めての実施となります。
令和5年10月8日(日)に、書道の全国大会などで輝かしい成績をあげている市立札幌平岸高等学校において、本協会の室井玄聳理事による派遣事業を実施しました。
当日は、書道部の生徒による歓迎の書道パフォーマンス、書の甲子園受賞者の生徒2名(植松歩楽さん、安田結香さん)による揮毫の後、室井玄聳講師による講話と揮毫が行われました。最後に、室井講師と書道部全員による合作が行われ、和やかな雰囲気のうちに終了しました。
今回の様子は、「書のひろば」において動画で配信されています。動画をご覧になりたい方はここをクリックしてください。
太田幽琳顧問のコメント
この度は平岸高校書道部のために、このような素晴らしい時間を与えて下さり、ありがとうございました。室井玄聳先生にいらしていただけると伺い、私は先生にとにかくたくさん書いていただきたい、と考えました。それは書道部の生徒たちに本物を見せたい思いからです。
心待ちにしていた本番では、まず3年生全員による歓迎のための書道パフォーマンスを披露しました。いつからか明確ではありませんが、生徒達は大きな筆を高々と上げ、床から足が浮き、飛び跳ねながら紙に向かいます。最初に6mの紙に筆を置いたとき、観客の歓声が響きました。そして室井先生もにこやかに身を乗り出して拍手をしてくださいました。たった一本の線で観客の心を掴むなんて、書道の可能性を感じました。
最初が動とすると次は静!昨年度の書の甲子園で準大賞を受賞した2人による代表揮毫として、今年取り組んだ木簡と論経書詩を臨書しました。本校の活動では特に臨書を大切にしており、展覧会のほとんどが臨書作品の出品です。緊張しながらの揮毫でしたが、一生懸命書いた後の笑顔はさわやかでした。
次に、室井先生による揮毫とご講義です。臨書を大切にしていると聞いたからと、先生はまずサブロク3枚に西狭頌の臨書をされました。気迫あふれる西狭頌に息を吞みました。そして同じくサブロク3枚を縦に使い漢字作品を、その後サブロク2枚に詩文書を2作、ご講義されながらも一気に書き上げてくださいました。生徒達は書き始めるとき、「いきまーす!せーの!はいっ!」と掛け声をします。室井先生にもそう声をかける場面がありましたが、先生は力強い声で返事をしてくださいました。生徒達のまなざしは時に真剣、時に笑顔!室井先生のお書きぶりに圧倒されるとともに、先生のあたたかさに包まれていました。
最後にサブロク5枚に合作をしました。室井先生が、一緒に書こうよ、と話された数か月前から、どうすれば一緒に書けるのかを考えた結果生まれた一作になります。生徒たちは1年時全員造像記を学びます。今回は部員全員で同じ紙に古陽洞をイメージしながら臨書しました。そして、その上の空間を室井先生に書いていただきました。「あいたくて あいたくて あいたくて だからいま あいにきた」、私たちだけでなく、観客の皆様もため息がでるほどの素敵な作品に仕上がりました。
生徒も観客も、そして室井先生も、ずっと笑顔がいっぱいでした。会場全体がひとつのことに向かうこの上ない時になりました。また室井先生にあいたくてあいたくて、と生徒たちが申しております。最後に、当日お越しいただいた室井先生をはじめ門人の方々、書圏代表小林融之先生をはじめ書圏の仲間たち、そして撮影などお手伝いをしてくれた卒業生や先生方と、お世話になりました日本書道文化協会には大変感謝しております。この貴重な経験をした生徒たちには書道を愛する気持ちを忘れないでいてほしいと願うばかりです。
植松歩楽書道部部長のコメント
室井先生のおかげで改めて書道の楽しさ、 素晴らしさを感じる時間でした。 書道を通して、このような素敵な交流が できたことをとても嬉しく思います。 室井先生は デジタル化が進む今だからこそ、 人々に寄り添った書が必要だとおっしゃいました。 私も活字離れが進む今、改めて手書きの温かさを感じました。 今、私たちが使っている言葉で文でも単語でも、思ったことを"書く""伝える"ことが大切だと思います。 そのためにはやはり研究と勉強が必要です。 たくさん古典を書いて、もっと書道の楽しさを体感したいと考えました。 私たち若者が書道や美術、その他の様々なものを未来に繋げることが 大切で素晴らしい事だと思います。 とても貴重な経験をしました。 この気持ちを忘れずにこれからも作品制作を楽しみたいです。
令和5年10月8日(日)に、書道の全国大会などで輝かしい成績をあげている市立札幌平岸高等学校において、本協会の室井玄聳理事による派遣事業を実施しました。
当日は、書道部の生徒による歓迎の書道パフォーマンス、書の甲子園受賞者の生徒2名(植松歩楽さん、安田結香さん)による揮毫の後、室井玄聳講師による講話と揮毫が行われました。最後に、室井講師と書道部全員による合作が行われ、和やかな雰囲気のうちに終了しました。
今回の様子は、「書のひろば」において動画で配信されています。動画をご覧になりたい方はここをクリックしてください。
太田幽琳顧問のコメント
この度は平岸高校書道部のために、このような素晴らしい時間を与えて下さり、ありがとうございました。室井玄聳先生にいらしていただけると伺い、私は先生にとにかくたくさん書いていただきたい、と考えました。それは書道部の生徒たちに本物を見せたい思いからです。
心待ちにしていた本番では、まず3年生全員による歓迎のための書道パフォーマンスを披露しました。いつからか明確ではありませんが、生徒達は大きな筆を高々と上げ、床から足が浮き、飛び跳ねながら紙に向かいます。最初に6mの紙に筆を置いたとき、観客の歓声が響きました。そして室井先生もにこやかに身を乗り出して拍手をしてくださいました。たった一本の線で観客の心を掴むなんて、書道の可能性を感じました。
最初が動とすると次は静!昨年度の書の甲子園で準大賞を受賞した2人による代表揮毫として、今年取り組んだ木簡と論経書詩を臨書しました。本校の活動では特に臨書を大切にしており、展覧会のほとんどが臨書作品の出品です。緊張しながらの揮毫でしたが、一生懸命書いた後の笑顔はさわやかでした。
次に、室井先生による揮毫とご講義です。臨書を大切にしていると聞いたからと、先生はまずサブロク3枚に西狭頌の臨書をされました。気迫あふれる西狭頌に息を吞みました。そして同じくサブロク3枚を縦に使い漢字作品を、その後サブロク2枚に詩文書を2作、ご講義されながらも一気に書き上げてくださいました。生徒達は書き始めるとき、「いきまーす!せーの!はいっ!」と掛け声をします。室井先生にもそう声をかける場面がありましたが、先生は力強い声で返事をしてくださいました。生徒達のまなざしは時に真剣、時に笑顔!室井先生のお書きぶりに圧倒されるとともに、先生のあたたかさに包まれていました。
最後にサブロク5枚に合作をしました。室井先生が、一緒に書こうよ、と話された数か月前から、どうすれば一緒に書けるのかを考えた結果生まれた一作になります。生徒たちは1年時全員造像記を学びます。今回は部員全員で同じ紙に古陽洞をイメージしながら臨書しました。そして、その上の空間を室井先生に書いていただきました。「あいたくて あいたくて あいたくて だからいま あいにきた」、私たちだけでなく、観客の皆様もため息がでるほどの素敵な作品に仕上がりました。
生徒も観客も、そして室井先生も、ずっと笑顔がいっぱいでした。会場全体がひとつのことに向かうこの上ない時になりました。また室井先生にあいたくてあいたくて、と生徒たちが申しております。最後に、当日お越しいただいた室井先生をはじめ門人の方々、書圏代表小林融之先生をはじめ書圏の仲間たち、そして撮影などお手伝いをしてくれた卒業生や先生方と、お世話になりました日本書道文化協会には大変感謝しております。この貴重な経験をした生徒たちには書道を愛する気持ちを忘れないでいてほしいと願うばかりです。
植松歩楽書道部部長のコメント
室井先生のおかげで改めて書道の楽しさ、 素晴らしさを感じる時間でした。 書道を通して、このような素敵な交流が できたことをとても嬉しく思います。 室井先生は デジタル化が進む今だからこそ、 人々に寄り添った書が必要だとおっしゃいました。 私も活字離れが進む今、改めて手書きの温かさを感じました。 今、私たちが使っている言葉で文でも単語でも、思ったことを"書く""伝える"ことが大切だと思います。 そのためにはやはり研究と勉強が必要です。 たくさん古典を書いて、もっと書道の楽しさを体感したいと考えました。 私たち若者が書道や美術、その他の様々なものを未来に繋げることが 大切で素晴らしい事だと思います。 とても貴重な経験をしました。 この気持ちを忘れずにこれからも作品制作を楽しみたいです。
歓迎書道パフォーマンスの様子
歓迎書道パフォーマンス作品
生徒2名による揮毫
生徒2名による揮毫
室井講師による揮毫
室井講師による講話
生徒と講師による合作の前で記念撮影