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和歌山県立桐蔭高等学校において書家派遣事業を実施しました(講師 植松龍祥先生 令和6年8月10日)


 日本書道文化協会では若い世代への伝統的な書道の普及を図るため、高等学校への会員書家派遣事業を実施しております。
 令和6年度2回目の派遣事業として令和6年8月10日(土)に、和歌山県立桐蔭高等学校において、本協会の植松龍祥先生を講師に実施いたしました。今回の事業では、桐蔭高等学校のほか、近隣の県立和歌山商業高等学校、県立星林高等学校の書道部も合同で参加していただきました。
 今回3校合同の事業実施に当たっては、桐蔭高等学校の卒業生でもある本会会員の松村博峰先生が世話人となり、事業実施に向けて種々の調整をしていただきました。誠にありがとうございました。
 松村博峰先生から、事業の実施状況の報告をいただきましたので、以下にご報告いたします。

 宮崎での地震を受けて、和歌山では南海地震への厳重警戒体制が敷かれ、公共施設や学校では10日間にわたる24時間体制での宿直輪番スケジュールが組まれる中、標記揮毫会が開催されました。
 この度、会場となった和歌山県立桐蔭高校(前身は南方熊楠の母校である旧制和歌山中学)は、戦後の天皇陛下行幸の際、天石東村が書道での天覧授業をした地です。
 桐蔭からは中・高生の書道部、そして近隣の県立和歌山商業高校書道部、県立星林高校書道部の合計41名が受講させて頂きました。
 会場校の川嶌秀則校長から受講側を代表してご挨拶の後、講師の植松龍祥先生の経歴等を紹介。
 さっそく、植松先生が書を志した頃からのあゆみや、書作への心構え等、ご講話を頂き、実作を披露下さいました。
 1作目は二尺×八尺タテに、張蠙(唐)の五律「寄友人」を、墨気溢れる重厚な行草体にて一気呵成に揮毫。全身を使った運筆で、縦横無尽に駆け巡れど、筆管は常に突き立ったまま中鋒直筆が見事に保たれていました。
 2作目は、半切に彦謙(唐)の七絶「曲江春望」二行と一行落款での瀟洒な文人調作品。超長鋒羊毫を蔵鋒から閃め弾ける、息の長い飄然とした筆致で魅了下さいました。
 二作の大胆さと繊細さがそれぞれに、書のライブ空間にメリハリの効いた世界観を表出され、生徒たちに毛筆表現の限りない可能性と奥深さをしっかり伝えて下さったことに深く感謝申し上げます。
 中国書道史の二大潮流である王羲之と顔真卿を同時に堪能できた濃厚な1時間半は、生徒たちに大いなる感動と将来への希望を刻み込んで下さいました。まさに書道史の本格の輝きが新しい世代へと繋がった瞬間であり、きっと忘れえない原体験となったことでしょう。

植松龍祥先生の講話

模範揮毫

模範揮毫を見つめる生徒達

会場全景

植松龍祥講師、松村博峰先生を囲んで記念撮影